「投稿完了」


投稿者:めちゃモテ委員長



闇の中、青白く光る物体が1つ。パソコンのモニター。男はたった今、掲示板への投稿を終えた。
「誰か…レスつけてくれるかな」
男には友人が居なかった。現実でも、ネットでも。
何時も何時も叩かれ卑下され、煙たがられていた。
サイトを見つけては書き込み、見つけては書き込みの繰り返し。
人が寝静まる頃までサイトを探し続け、書き込み続ける。
「…またか」
また叩かれた。
これで今日19回目。いつしか男は人間不信に陥り、部屋に閉じこもるようになっていた。
全ての人間を憎み、嫌い、孤独を望んだ。
〝孤独〟という名の鎖を巻きつけた。
長い間、人に触れていなかった。自問自答しても、喉が震えて返事は返ってこなかった。
哀れんだ人の差し出した手さえも断り、孤独を選んだ。しかし、本音は人と触れ合いたかった。
触れ合いたかったが、離れていくのが恐かった。
――――――それでも。
「誰か…」
人に触れていたい。矛盾している心。誰かに名前を呼んで欲しい。誰かに話しかけて貰いたい。その願いも、たった独りなら意味は成さない。
「こんな俺の…」
生きる意味。
――――――――1つも無い。

削除パスワード:

前に戻る





トップに戻る


Copyright(C) 2014 Web Master しるログ All Rights Reserved.