ゲームレビュー その1


投稿者:おなわ


真・女神転生5

●シナリオ ⭐︎⭐︎⭐︎
設定は良い。しかしそれを活かしきれておらず、後半かかなり駆け足気味。特にベテル各支部の長と戦うくだりは酷いと感じた。人気も知名度もある神々が、単なる野望おじさんと化してしまっている様は、シリーズプレイヤーからしたらかなりのガッカリポイント。しかし、真3と地続きの世界観は秀逸で、序盤はワクワクした。マニアクス版の発売を祈念して⭐︎3。
●キャラクター ⭐︎⭐︎
悪魔のモデリングの出来が良く、一部のキャラの専用技もカッコいい。 しかし人間キャラに魅力が皆無と言ってもよい。まだ掘り下げがあるロウヒーローは良いとして、カオスヒーローにいたっては途中から「東京を守りたい!!」しか言わなくなる。きみ、妹に存在感負けてませんか? 相棒のアオガミ君は「少年…♡少年…♡」と主人公の肯定しかしないイエスマンでつまらない。4fのダグザを見習えよ。 最悪なのはニュートラルヒーローだろう。誰も共感し得ないクソみたいな思想を振り撒き、賛同したとしても主人公に終始辛辣。加えて「悪魔を根絶やしにする」とか意気込む癖して、作中最高峰のエチエチ悪魔を侍らせた挙句に合体までしやがる。こんなクソキャラが真ルートとかふざけているとしか思えない。
●システム ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
合体まわりが過去最高の遊び易さ。写身でスキルのテコ入れもできて、好きな悪魔が終盤でも活躍してくれた。 バトルについてはいつものプレスターン式。序盤のボスがかなり強敵で、毎回ギリギリの戦いを楽しめた。 マップ・ダンジョン攻略だけはクソで、頭を使うギミックがあるでもなく、ただひたすらに遠回りを強いられる理不尽仕様。周回する気を削ぐ最大の要因。
●音楽 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
バトル・マップ共にシリーズ最高峰。特にバトル時の曲が豊富で飽きが来ない。サントラ買う価値あり。欲を言えば、ラスボス戦のBGMをもっとテンションブチ上がる熱い曲にしてほしかった。

●総評 70点
なんだかんだ3周したのでかなり楽しめたと思う。しかし、シナリオ面や演出面、キャラクター面の雑さが目立つ。最高級の材料から素人がこさえた三流料理といったところか。エンディングがどのルートを選んでも、ほぼ内容が同じだったので、新たなルートを加えたマニアクス版の発売を望む。

真・女神転生4

●シナリオ ⭐︎⭐︎⭐︎
真1を踏襲したわかりやすいストーリー。そのため、割ととっつきやすい。メガテンらしいダークなイベントが沢山あるのも良い。ただし、各ルートのエンディングがあっさりしており、達成感が感じ辛い。その辺も真1オマージュか。 初めて東京に降り立った時のワクワク感が最高潮。
●キャラクター ⭐︎
人間キャラが薄っぺらい。カオスヒーロー、ロウヒーローどちらもご都合主義的に敵対することになる。しかし、序盤の仲間が仲良ししてる雰囲気は良い。 最悪なのは新規デザイナーによる悪魔のデザイン。特撮の人らしいが、世界観に合っていないゴテゴテした風貌はプレイの没入感を失わせる。過去作の天使等は、神々しさと胡散臭さが同居した得体の知れなさを醸し出すデザインだが、今作はただ禍々しいだけ。というかキモい。あの大魔王が煮卵になるとは誰が予想した?こればかりは流石に不評だったらしく、悪魔デザインは次作で修正された。
●システム ⭐︎⭐︎
合体周りは過去最悪。真1・2より遊び辛いってどういうこと? また、敵とのバトルはシンボルエンカウントだが、避けるのが非常に難しく、ランダムエンカウントと変わりない。むしろ避けられそうな分、ストレスがデカい。エンカウント抑制魔法のエストマも劣化しており、ほぼ意味が無い。そのためダンジョン攻略が苦痛。ただ、ダンジョンそのものは比較的単純で、攻略情報なしでもプレイしやすい。 バトルは序盤がかなり高難易度でやりごたえがあるが、後半はヌルゲーと化す。 仲魔のスキルを主人公に継承出来るシステムだけは無限の可能性を感じるので高評価。
●音楽 ⭐︎⭐︎⭐︎
こちらも新規のスタッフが手掛ける。無難な感じだが、大ボスとの戦闘曲をはじめとして、良曲も沢山ある。

総評 50点
10年振りに発売された、シリーズの新タイトルとしてはクソな部類。新規ファンを獲得するための新たな取り組みは結構だが、色々雑すぎる。次作が同じ世界観を持った続編で、こちらは良作なだけに本作もプレイした方がストーリーに入り込みやすい。それが辛い。良作を遊ぶ為に本作をプレイしなければならないジレンマよ。

真・女神転生4final

●シナリオ ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
一貫して敵対する陣営があり、わかりやすいストーリー。過去作のロウとカオスの陣営との共闘も高評価。 前作をプレイしていなくてもなんとかついていける親切シナリオとなっている。 また、本作の特長として、ニュートラルルートに二つのルートが用意されており、どちらも各々納得感がある。仲間との絆を選ぶか、個人の野望を優先するか。 難点を挙げるとすれば、ロウ・カオスルートがショボい点。それと、ラスボスに挑む必然性が感じ難い点か。ついで感があると言うか。
●キャラクター ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
ペルソナ的と言われる程に仲間との絆を強調されている。メガテンらしい淡白な関係性に 慣れていると面くらう。主人公マンセーなのが若干ウザい。 ただ、それは仲間との決別ルートの布石であり、このルートを選んだ際の仲間たちによる主人公へのリアクションが熱い。「私、初めて会った時から貴方の事が大嫌いだったのよ」とか。 悪魔デザインが前作のゴミっぷりが修正されている。何気にシリーズで登場悪魔が最多。
●システム ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
前作の不満点がほぼ解消されており、遊び易さはシリーズ最高峰。 ただ、ラスボスダンジョンがクッソ長く、ダンジョン踏破だけで数時間もっていかれる。 どれくらい長いかというと、1個前のダンジョンの全エリアを合わせた2倍くらいの広さのフロアが4個もある。目が痛くなる色使いに加えて地味なBGM、頭を使うギミックもなく、ただひたすらに長ったらしいエリアを右往左往するのみ。こればかりは擁護不可能。
●音楽 ⭐︎⭐︎⭐︎
極めて普通。前作に関係したボス戦で前作BGMを起用するなど、熱いところもある。また、大マップの曲が良い。

総評 80点
プレイし易さシリーズNo.1。シリーズ初プレイには是非オススメしたい作品。 前作の登場人物が多く、前作をプレイした方が没入できる。ただし前作未プレイでも充分に楽しめる良作。 ハードが3DSなのがネック。

真・女神転生3 HDリマスター

●シナリオ ⭐︎⭐︎⭐︎
ロウ・カオス・ニュートラルの分岐ではなく、新世界創世にあたる、どの理念に共感するかでシナリオが分岐する。 あるルートでのイベントでなければ、世界やキャラの設定が語られないのが難点。 ムスビとバッドエンド以外のルートには納得感があり、プレイ後に割と爽やかな余韻に浸れる。 アマラ深界ルートのエンディングが最高にゾクゾクする。このルートが真5へと続く。
●キャラクター ⭐︎⭐︎⭐︎
シリーズ最悪に人間関係に恵まれない主人公。東京受胎に生き残った人間は基本的にヤベーやつばかりで、主人公は利用されまくる。ヒロイン枠の先生が1番のキチガイかつクズ。しかし、各コトワリのEDでは主人公にちゃんと御礼を言いあたりみんな好感が持てる。 人間キャラがほとんど死亡している代わりに、NPC悪魔が沢山いて楽しい。 ルートによってはライドウやダンテを仲魔に出来る。
●システム ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
バトル難易度がちょうど良い。シリーズの特徴となったプレスターンバトルも本作から起用。雑魚戦でも気が抜けない緊張感が楽しめる。 だが一部のボスが使用するスキルで、自らの行動回数を増やすというものがあり、ボスのランダム行動によってはなす術なくワンターンキルされる理不尽もある。 獣の眼光→マカカジャ→獣の眼光→獣の眼光→マカカジャ→獣の眼光→獣の眼光→獣の眼光→マカカジャ→マカカジャ→獣の眼光→獣の眼光→メギドラオン→メギドラオン。モト劇場。 悪魔合体は良くも悪くもなく、スタンダードなメガテン。 ダンジョンギミックが面倒臭い。攻略サイト使用推奨。
●音楽 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
シリーズ最高峰。月齢によってサビが変わる戦闘曲でバトルを彩ってくれる。サントラ購入推奨。 個人的にお気に入りは、最終ダンジョンに入る前の大マップ曲。

●総評 75点
現代からしたら不親切で荒削りな部分も目立つが、間違いなく今日のメガテンシリーズを作り上げるに至った名作。 主人公の人修羅がシリーズ最高の人気で、色々な作品に出張している。 また、メガテン音楽総選挙でもNo.1は本作の戦闘曲であった。 シリーズに興味がある人には是非プレイしてほしい。

真・女神転生2

●シナリオ ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
前作数十年後の世界。超ディストピア感。主人公出生の秘密を探る物語。とにかくロウ陣営に翻弄された人々を描く。特にお気に入りはアルカディア編。全ルートを通して共通のラスボスがいるのも好ポイント。 神話モチーフのイベントが多数あり、元ネタを知っているとかなり楽しめる。 個人的にはシリーズ最高のストーリー。
●キャラクター ⭐︎⭐︎⭐︎
ロウはクソ。はっきりわかんだね。 ただ、清々しいほどの外道っぷりを発揮する大天使様など、カルト的に評価できるキャラクターが沢山いる。 人間キャラもみんな考えさせられる境遇の人物が多く、キャラが立っていて良い。 やっぱロウはクソ。
●システム ⭐︎⭐︎
現代では古臭い3Dマップ。ギミックも難しいので、攻略サイト使用推奨。 悪魔合体はいつものメガテン。 主人公に合体剣持たせて殴るのが最強の、いつもの初期メガテン。バランスはわりとガバガバ。
●音楽 ⭐︎⭐︎⭐︎
まあ普通。魔界のBGMは前作大破壊後の東京に匹敵する名曲。

●総評 68点
ストーリーはシリーズ最高峰の出来だが、前作を知っているとなおよし。初期シリーズの集大成に相応しい良作。 他は割と平凡なメガテン。現代人が遊ぶには不親切な部分も目立つ。 初期メガテンのダークな雰囲気が好きなら是非プレイしてほしい。 ロウはクソ。

真・女神転生 deep strange journey

●シナリオ ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
いつものメガテンとは違い、東京が舞台ではない。本作は南極に発現した異空間、シュバルツバースの調査、破壊を目的として派遣された人々が主な登場人物。 シュバルツバース内で人間社会の孕むカルマを見せつけられ、新たな世界の創造を目指して戦うこととなる。 LCNのルートに加え、本作では2週目にそれぞれに真ルートが追加されている。つまり全6ルート。この真ルートがどれも出来が良く、極端な思想が和らいだハッピーエンドとなっている。
●キャラクター ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
調査隊クルーがどれも良いキャラ。女キャラがマブイ。またNPC悪魔も沢山登場する。 リメイクである本作には、新キャラのアレックスが追加されており、彼女を好きになれるかで評価が分かれるだろう。 なろう主人公のようにチートじみて強い上、なんか主人公にいきなり辛辣で、初見は嫌なキャラと感じるだろう。ストーリーが進むにつれて掘り下げがあり、筆者は割と好きになった。
●システム ⭐︎⭐︎⭐︎
合体が非常にやりやすい。 バトルはいつものプレスターンではなく、敵の弱点をついた場合、攻撃者と同属性の悪魔が追加でダメージを与えてくれる。中盤まではこれを戦術に組み込むが、終盤は強悪魔の強技をブッパしている方が強い。 バトル難易度はかなり高く、終盤でもボス戦では何回も死ぬ。 マップが旧作を彷彿とさせる3Dマップで、面倒なギミックを解かされる。筆者は世界樹の迷宮でなれていたが、多くの人にはなかなかとっつき辛いだろう。
●音楽 ⭐︎⭐︎⭐︎
シリーズ恒例の熱いギターがバキバキの音楽ではなく、壮大かつ重厚な曲が多く、世界観によく合っている。

●総評 78点
とにかく真ルートが良い。他作では極端思想のロウとカオスが、新キャラアレックスとの関わりの中で新たな可能性に目覚め、納得感のあるハッピーエンドへと至る。 そのほかの部分も総じてクオリティが高く、隙の無い作品だ。ハードが3DS。

デジタル・デビル・サーガ アバタールチューナー

●シナリオ ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
起承の1、転結の2で二部作。1だけやると世紀のクソシナリオ。2をやって初めて伏線を理解できる。1では運命に翻弄されながらも抗い戦う者たちの悲哀を描き、2では世界の種明かしと真の楽園を目指すストーリー。メガテンらしいオカルト的な要素は健在でありながら、かなりSF要素が強め。 最終盤に「は?」となる展開があるが、それさえ飲めれば最高の物語。エンディングがメガテンシリーズらしくない、クッソ爽やかなのも良い。最後の「大丈夫よ!」で全てが報われる。
●キャラクター ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
最初は各登場人物には感情がなく、戦うロボットみたいな連中だったが、あるキッカケから徐々に感情を得ていく。その過程が各々違っており、キャラが立っている。特に参謀のゲイルが最高。実質主人公。 2での新キャラも熱いヤツが多い。 1と2を通して寒いキャラや臭いキャラがほとんどいない。キャラみんなに見せ場があり、終盤は泣く。 唯一の汚点はヒロインがクソだという点か。まず可愛くない。剛力彩芽にしか見えない。 次に悲劇のヒロイン感がウザい。勝手に行動した挙句に仲間を窮地に陥れることはザラ。そんなヒロインを甘やかす仲間たち。 いちおう彼女の自分勝手な行動や感情を優先してしまう性分には理由があるのだが、それが明らかになるのは2の中盤なので、それまでヒロインは単なるウザキャラ。しかし、悪魔アルダーの変身シーンはめちゃくちゃカッコいい。
●システム ⭐︎⭐︎⭐︎
伝統のプレスターン。バトルとダンジョンの難易度は比較的低く、かなりプレイしやすい。 スキルの習得は、敵を捕食して得られるポイントから、スキルツリーの好みのスキルを習得できる。通常の経験値とスキルポイントの、二重の稼ぎが必要。 2ではシナリオの都合上、使用可能キャラの入れ替わりが激しく、全員ある程度は育てていないとしんどい。
●音楽 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
サントラ購入推奨。プレミアついてるけど。 1では泣きのギターが最高で、2ではテクノ調になるなど、世界観にも合わせてきている。 2の強ボス戦では1曲のアレンジが使用されたりする。 バトルだけでなく、ステージ曲やムービー曲も良い。

●総評 90点
⭐︎の数に対してやたら点数が高いのには理由がある。本作はムービーシーンがかなり多いのだが、ムービー演出に板野氏が起用されている。そのためか演出がやたら凝っており、BGMの入り方や声優の演技、間の取り方など全てにおいて高クオリティ。こういう、多くを語らないけど、プレイヤーに訴えかけてくるようなムービーゲーは中々ない。ちなみに板野サーカスもあるよ。 難解な物語や色物のキャラクターなど、万人受けする作品ではないが、筆者には刺さりまくった。PS2しかないのでプレイしづらいが、筆者のRPG歴最高傑作なので、是非遊んでみてほしい。

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