ゲームレビュー その2


投稿者:おなわ


オクトパストラベラー2
●シナリオ ⭐︎⭐︎⭐︎
8人の主人公のストーリーとそれらを全てクリアした後に解放される最終章で構成される。 関係なさげな8つの物語が実は水面下で繋がっていたということが最終章で明かされる。 最終章の本筋は面白い。主人公によってシリアスな話もあればノリの軽めな物語もあり、ガバガバでご都合主義が目につくこともある。 前作に引き続き、各物語の繋がりが明かされる流れはかなりワクワクできるが、意外さは前作の方が強い。色々と惜しい。
●キャラクター ⭐︎⭐︎⭐︎
8人の主人公同士はシナリオで絡みはない(最終章は除く)が、幕間でキャラ同士の会話が見られるパーティチャットというシステムがあり、仲間たちの仲の良さが垣間見えてホッコリする。バトルでの掛け合いもいい感じ。 一方で敵キャラなどNPCのキャラクター性はかなり劣悪。悪役は皆同じような性格で、NPCの味方キャラは粋な感じを出そうとして滑っている。 特に悪役のキャラ付けばかりは擁護不可能で、各主人公シナリオのラスボスが、追い詰められると全員同じリアクションをする。 「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!」というような同じ言葉を何回も繰り返すキレ方を毎度するので冷める。 主人公は良いキャラなだけに惜しい。良い悪役がいてこそヒーローが引き立つのに。
●システム ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
一般的なコマンド式RPG。相手の弱点を何回も付くことによって大ダメージを与えるチャンスがうまれるので、武器種と魔法属性が重要だ。 装備できる武器はジョブによって異なり、各キャラでベースジョブに加えてサブジョブを設定できるので、装備品やスキル構成の自由度はかなり高い。 街のNPCに対してアクションを仕掛けるフィールドコマンドというシステムがあり、持ち物を盗んだり、情報を聞き出したり勧誘してバトルに参加させたりできる。キャラ毎に得意なフィールドコマンドがあり、キャラ付けにも一役買っている。 エネミーエンカウント率はやや高いが、スキルによって抑えられるので、あまりストレスには感じない。 通常は4人でのバトルだが、最終バトルでは8人全員がバトルに参加するため、偏った育成をしていると苦しい。スキル構成も全員かなり真剣に考える必要があり、やりごたえ充分。
●音楽 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
かなりハイレベル。昼と夜でそれぞれBGMが異なり、雰囲気の違いを楽しめる。 各主人公のテーマ曲も、イメージに合っているし、曲が入るタイミングもよい。 特に良かったのはボス戦で、バトル入る際のイントロ→ボス戦BGMの流れが毎回カッコいい。 サントラ購入予定。
●総評 80点
欠点の少ない良作。 システム面も前作からレベルアップしており、遊び易くなっている。 主人公によってはシナリオがガバガバなことやキャラ付けイマイチな点など細かい不満はあれど、王道を征く冒険RPGとしては、かなりハイレベルな出来だと思う。 RPG好きには是非プレイしてほしい。

ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
●シナリオ ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
厄災に敗北して百年後という、割と絶望的な状況からのスタート。 フリーシナリオで、どのルートを辿るかの自由度が高い。筆者はゾーラ→ゴロン→トリ→ゲルド。 記憶を失った主人公リンクの記憶を、思い出の場所を探し追体験することで物語の背景が掴める。 序盤は物語への没入が乏しく不安もあったが、神獣あたりからドンドン物語が動き出して楽しめた。 神獣戦やラスボス戦の盛り上がりがすごい。
●キャラクター ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
ゼルダ姫がかなりブスだが、シリーズの他作品と違って人間味があって良い。 英傑たちもいいやつばかりで好きになれた。 NPCとの会話も凝っていて楽しい。 ただ、ゴロン族のチン坊だかイン坊とかいう小僧だけにはヘイトが溜まった。 ゾーラ族のミファーちゃんが激カワなので、それだけでもやる価値あり。
●システム ⭐︎⭐︎
あくまでも筆者の感想だが、オープンワールドがかったるい。なんでもやれる、というのがコンセプトらしいが、自由度が高すぎていくらでも寄り道できてしまい、本筋が進まない。 やり込み要素もかなり豊富で、全てコンプリートしようと思ったら、どれだけの時間を持っていかれるかわからぬ。 戦闘が総じて難易度が高く、敵の攻撃も強いためすぐ死ぬ。やりごたえ十分。 戦闘は難易度を高めている要因のひとつが、武器が壊れるという点か。中盤以降はさして気にならなかったが、序盤は特にストレスに感じた。武器のメンテナンスが簡単に出来れば評価は変わっただろう。リアル路線も良いが、プレイの爽快感を削ぐ形となり、筆者の本作への評価を下げる最大の要因だ。 やり込み要素のひとつに祠チャレンジというものがあり、これをクリアすると体力最大値が増えるなどの恩恵がある。ただ、祠を見つけるのが面倒くさいのに加え、祠内でクッソどうでも良いギミックのダンジョンを解かされる。そのため、プレイに支障のない範囲でクリアすることにした。 あと、がんばりゲージも要らないと思う。
●音楽 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
基本的にフィールドではBGMがなく、薄味な印象だったが、ハイラル城での過去作アレンジやラスボス戦の曲の熱さにやられた。 サントラを買うかはわからないが、両曲揃いなのは間違いない。
●総評 75点
超人気シリーズであり、発売から5年以上経つ今でもランキング上位に位置する快作。 プレイにおける不満も、あくまで個人の感想であり、人によってはプラス要素だろう。 演出面に特に優れており、前述の神獣戦やラスボス戦の熱さはプレイしてみないとわからない。空中で弓矢を撃つ際のスローモーション演出が最高。 しかし、筆者的にはグラフィックを除き、他全ての要素において、同シリーズの時のオカリナの方が楽しめたことは否定できない。 次作は本作を更にブラッシュアップさせていることを期待する。

ブルーリフレクション帝
●シナリオ ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
学校を拠点とした箱庭世界が舞台。 少女たちが失った記憶を取り戻すために戦い、取り戻した記憶を頼りに世界の謎を紐解いていく物語。 キャラの内面の描写が丁寧で、記憶を取り戻すため自身の弱さに立ち向かう少女達の成長が本作のウリだと思う。 シリーズのキャラたちが沢山登場するため、前作やアニメのファンは特に楽しめるだろう。アニメ勢の掘り下げが多くて嬉しい。 夏を感じさせる作風で、終盤は夏休みの終わりを彷彿とさせる切ない雰囲気が秀逸。 ムービー演出もGOOD。
●キャラ ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
前述の通り過去作のキャラが沢山でてくる。どのキャラも可愛らしいし、いやらしい身体をしている。 みんな基本的には前向きな性格をしている良い子なので好感をもてる。ただし一部池沼がいる。ガチレズもいる。 筆者のお気に入りは駒川詩ちゃん。
●システム ⭐︎⭐︎
戦闘はコマンドRPG。時間経過で貯まるゲージがあり、貯まった分の行動ができる。攻撃回数を重ね、ゲージが一定以上になるとキャラが変身して強力な技を繰り出せるようになる。 はっきり言って戦闘は楽すぎる。適当に攻撃して適当に回復して必殺技を放てば大抵倒せる。 アトリエシリーズみたいに素材を集めて道具や施設をクラフトできるが、正直面倒くさいだけだった。 仲間達からの依頼(サブクエ)やデートイベントが豊富にあることは評価点だが、手間の割に恩恵が少ない。
●音楽 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
戦闘・フィールド・イベント、どれをとっても良曲揃い。 透明感のあるサウンドで、聴いていて爽やかな気分になる。 サントラ購入済み。
●総評 75点
夏にプレイ推奨。ストーリーとキャラがよいので、システムの粗もそんなに気にならない。 百合ファンなら尚のこと楽しめると思う。 一作目、アニメをしっていたらなお楽しめるだろう。

DAEMON X MACHINA
●シナリオ ⭐︎⭐︎
月の落下を契機にAIが人類へ反旗を翻し、人型ロボット「アーセナル」を駆る傭兵たちがAIと戦う物語。月由来の資源を巡り、巨大資本同士の対立もある。 物語の起伏に乏しいと感じた。 基本的に敵はAIで、傭兵同士の戦いは起きない設定のはずだが、ある理由により傭兵同士の戦いがたびたび発生する。例えばA傭兵団には拠点防衛のミッションが、B傭兵団には拠点破壊のミッションが発令されるなど。その際、「こんなことはあり得ないはず。何が起きているの!?」という反応になるのは良いのだが、問題は本編の7割がこのやりとりで構成される点。何回やるのこのくだり。 ストーリーへの考察の余地を残すためか、あえて説明しすぎない構成をしているが、正直言って物語への没入感を削ぐ形となっている。幕間でキーパーソンのモノローグがあるが、「ソンザイノカノウセイ……カノウセイノソンザイ……」などと意味不明の言葉を羅列するばかりで、わけわからん。 変なところばかりアーマードコア意識して失敗している感がありまくり。
●キャラクター ⭐︎⭐︎⭐︎
キャラ一人ひとりにビジュアルがあるあたりACシリーズとは差別化できていて良かった。 最初はいけすかないキャラが終盤で熱いキャラになるなど、主人公以外の成長もあり燃える。 難点としては、ラスボスが何をしたいのかわからない、一部キャラがキモい、撃墜=死亡ではない、キャラ死亡シーンが寒い、大物ぶっている癖に基本的に全員無能、などがある。 中にはエチエチキャラもいるので、その点は評価する。
●システム ⭐︎⭐︎⭐︎
ACシリーズとの差別化を意図しているような印象を受けた。その点は評価できる。 例えば、武器の入手がショップでの購入ではなく、撃墜した敵からの鹵獲など。弾薬も敵から入手できるため、弾切れにはならない。 また、近接武器の種類が豊富で、アセンブルのたのしさを感じた。ただ、ブレード系の武器が総じて弱く、一発逆転を狙えるようなロマン武器ではない点は不満。 結局、アサルトライフル撃ちまくるのが最強。 ほとんどのミッションで僚機がおり、難易度はやや低いと感じた。
●音楽 ⭐︎⭐︎
バトルはそこそこ盛り上がる音楽が多かった気がするが、サントラ買うほどではないか。イマイチ印象に残っていない。
●総評 60点
アーマードコアシリーズとは別物として考えれば悪くない出来だか、明らかにACシリーズを意識しているような点が散見される。 ACと同様にシナリオに考察要素があるが、これはACファンに対する「ほら、お前らこういうのが好きなんだろ?」というような安易な放り投げに過ぎないと感じる。 演出面についても幼稚な描写が目立ち、夕方アニメ版アーマードコアといった印象を受けた。 ACシリーズと差別化に振り切れば良かったのに、変に寄せてきた結果が大して人気も出なかった理由だと思う。

カリギュラ オーバードーズ
●シナリオ ⭐︎⭐︎
メタバースが舞台。そこではほとんどの人が仮想空間を現実と思い込んでいるが、ひょんなことから其処が現実ではないと気づいた主人公と仲間たちが、帰宅部なる組織を作って現実に帰ることを目指す。その過程で、仮想世界を歌唱により管理するμ(いわゆる初音ミク)と、彼女に曲を提供する楽士(いわゆるボカロP)たちと戦うことになる。 この仮想世界は、現実で生きられなかった人々の逃げ場という位置付けで、登場人物各々に現実から逃げ出してきた理由がある。 彼らの心理を知るのが本作の大きな要素だが、正直なところ割とありきたりな悩みばかりで真新しさに欠けている。 楽士と戦い現実への帰還を目指すルートと、楽士に同調し帰宅部と戦い仮想現実を維持するルートがある。 後者の場合、帰宅部仲間からのマジギレ罵詈雑言が聞けるため、楽士ルートの方が楽しいまである。
●キャラクター ⭐︎⭐︎⭐︎
キャラビジュアルについて、帰宅部の仲間は特に言うことはないが、楽士たちは一昔前のニコニコ歌い手のプロフ画を思わせるクッサイ見た目をしている。 ただし、見た目はゲテモノだが内面は割と面白いキャラが多い。 現実でブサイクだが、仮想世界のアバターではイケメンでチヤホヤされることに悦を覚えているキャラや、普段は変態だけど根は善人など、なんだか憎めないキャラがたくさんいる。
●システム ⭐︎
まず、筆者はゲームのグラフィックについてはあまり気にしない質だが、本作はあまりに酷い。PSP以下の画質を令和の世に出すとは。加えて技のモーションもダサい。 何よりもバトルシステムがファックすぎる。敵キャラの動きが予測され、それに対してどのように動くかをコマンドするシステムだが、簡単スギィ。テキトーに敵を避けて技を繰り出すだけでどうとでもなる。稼ぎもせずにラスボスを1分かからずに倒せるとかバランスおかしくない?
●音楽 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
ダンジョンでは各楽士作曲の音楽のインストverが流れているが、敵とエンカウントするとこれがシームレスにボーカルverへと移行する。この流ればかりは文句なしに最高。歌い手である上田麗奈氏の歌唱力もあり、音楽に関しては賞賛を禁じ得ない。
●総評 55点
不満ばかり書いてきたが、本作は割と頻繁にセールをやっており、2000円くらいで購入できる。筆者もセールの折に買ったが、料金分は楽しめたと思う。 ただ、2週目をやるかと言われたら、たぶんやらない。 しかし、続編が発売されていたり、アニメ化されているなど、世間的にそこそこ評価は高い模様。 セール時の購入を推奨する。

ペルソナ5ロイヤル
●シナリオ ⭐︎⭐︎⭐︎
心を盗む怪盗団が悪い大人たちを改心させるという、王道を往く勧善懲悪もの。 主人公率いる怪盗団は弱きを助け悪を挫くという思想ものとに行動するが、根本的に筆者は彼らのやり方に賛同できなかった。下手をすれば心を盗もうとした悪人を殺してしまうか廃人化させてしまう行いを、元普通の高校生が考えなしにノリノリでやっていく様には違和感を覚える。 怪盗団の行いの是非について、彼らに異議を唱えた者を、より悪人に描く事で有耶無耶にしている節がある。 ただし、プレイ中は思想云々は気にせず遊べるだけの勢いがあり、パワフルなストーリーには引き込まれた。 ロイヤル版で追加された後日談も、考えさせられる内容で良い感じ。 ご都合主義などもあるが、テンポ良くわかりやすい物語展開なので、最後まで楽しくプレイできた。
●キャラクター ⭐︎⭐︎⭐︎
薄味な印象。 仲間が増える際のイベントは、どれも困難に立ち向かうキャラの反骨精神がよく演出されているが、仲間になった後は基本的に主人公マンセーになる。そのため、印象に残るような個性が薄かったと感じる。一方で個性を出すためか、ネットスラングを言い出すなど、正直不快なキャラもいた。 悪役についても、いかにもステレオタイプな悪いオトナって感じで真新しさを感じなかった。 肝心の主人公だが、周囲の評価がバカ高い割には非常識な面が目立つ。学校や飲食店、バイト先に飼い猫を持ち込む、敬語が使えない、目上と話すときもポケットに手を入れているなど。カッコいいところも沢山あるだけに残念。 良い点としては、相変わらずペルソナ(悪魔)デザインが秀逸な点。仲間のペルソナは若干ダサいのもいるが、主人公のアルセーヌなどはシリーズトップクラスのデザイン。 今作は雑魚敵がちゃんとメガテン形式の悪魔なので、雑魚戦まで楽しめた。
●システム ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
文句の付けようがない出来。 前述の通り、エンカする雑魚敵が悪魔なので、会話によるペルソナ入手が可能。弱点を突いてダウンさせないと交渉できないという点も、メガテンとの差別化ができて楽しかった。 ベルベットルームでは合体がやりやすく、それ以外にもペルソナのアイテム化や強化など、バトルを助けてくれる要素が豊富にある。 エンカ時に速攻でバトルを終わらせられる要素や、後背を突いてエンカする事でバトルを有利にできるフィールドでのスキルがあり、ストレスを感じさせない。 ボス戦を含め、やや戦闘が簡単すぎるのが若干の不満。
●音楽 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 完璧。
シリーズ特有のオサレBGMは本作でも健在で、種類も豊富。雑魚敵とのエンカのし方でバトルBGMが変わるのも良い。 ボス戦に入る時やムービーシーンでのBGM演出も最高に盛り上がる。 街の音楽もオサレ。
●総評 80点
少人数に120点刺さるよりも、万人に80点ウケるだろう良作。そりゃメガテンより売れるわって感じ。正直大衆受けを狙い過ぎてアクが弱い気もするが、誰がプレイしてもそれなり以上に楽しめるだろう。 ボリューム感のある作品で、アトラス作品に慣れている筆者でも、1周目クリアに80時間かかった。それゆえに2周目以降の敷居が若干高いのが玉に瑕。 それでも、量質ともに全開でプレイヤーを楽しませようという意気込みを感じる作品なので、アトラスゲーやメガテン系列の取っ掛かりとしては最良の作品と推したい。

零 濡れ鴉の巫女
●シナリオ ⭐︎⭐︎⭐︎
正直言って何時もの零シリーズとあまり変わらない物語で評価に困る。 非人道的な儀式による霊魂の暴走から、主人公が心霊現象に巻き込まれていく。 シリーズ毎度の事だが、一連の騒動の原因となった幽霊(ラスボス)が不憫でならない。最後のムービーシーンでの彼女の選択には涙を禁じ得ない。 主人公が希死念慮に囚われた少女だが、彼女が騒動に立ち向かう事で得た心の変化は見もの。結局のところエンディングが素晴らしい。
●キャラクター  測定不能
嬉しい要素としては初代主人公が登場するという点。過去作を知っていると(『零 刺青の聲』の後)彼女の選んだ道が残念でならない。しかしそんな事はどうでも良くて、彼女がエチエチ女に成長していた点が嬉しくてたまらない。相変わらず儚い薄幸美人で、もはや未亡人感すらある。無意味に彼女を写真で撮りまくってしまった。 また、主人公の不来方夕莉ちゃんも大変可愛らしい。終始鬱々とした夕莉ちゃんがラストシーンで見せる表情を見れただけでも、頑張ってプレイした甲斐がある。 彼女ら2名がいるだけで⭐︎百億万個。
●システム ⭐︎⭐︎⭐︎
昔の作品に比べると遊びやすくなっている。本シリーズは悪霊を射影機で撮影する事で倒す事ができる。今作は霊をフレーム内にロックオンよる機能があり、これによってフェイタルフレーム(特定のタイミングで撮影する事で発生するコンボ撮影)がやりやすくなっている。 また、今回は章が変わるごとに落ちているアイテムがリセットされるので、強力なフィルムや回復アイテムが足りなくなって詰む事がなくなった。 余談だが本作は物語上、水が重要なファクターで、水の質感を大事にしている。つまり何が言いたいかというと、水に濡れるとキャラの下着が透ける。
●音楽 ⭐︎⭐︎⭐︎
ホラーゲームらしい重苦しい音楽ばかり。 だが、エンディング曲がとても良くて、ムービーも相まって演出が本当に素晴らしい。エンディングを見るためにプレイしていると言っても過言ではない。 筆者は本シリーズで天野月というアーティストを知れたことを大変嬉しく思います。
●総評 70点
なによりキャラの造形が最高にえっち。遊んでいたらヘンな気持ちになってしまう。 もちろん、スケベ方面以外も評価できる点がたくさんある。 エンディングが二種ある。グッドエンドとバッドエンド。絶対に頑張ってグッドエンドを見た方がいい作品。 プレイ感としてはシステム面が過去作と比べて格段に遊びやすくなっている印象。 残念ながらホラーゲームとしてはあんまり怖く無い。 しかし、ホラーゲーム初心者にオススメしたい一作。

プレイブリーデフォルト2
●シナリオ ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
クリスタルに選ばれた4人の光の戦士が、悪の帝国とその裏で暗躍する闇の勢力と戦う物語。 かつてのファイナルファンタジーシリーズを思い出させる王道の冒険譚。 しかし中には考えさせられる話や胸糞悪い話もあり、緩急のついた展開でプレイヤーを飽きさせないよう配慮されていると感じる。 特に、終盤にかけては勢いある展開からの激アツラスボス戦で、プレイ後の達成感は中々のものだった。
●キャラクター ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
プレアブルキャラの四人は比較的精神年齢が高く、イライラさせるような青臭い言動や行動が少なく、ある種の安心感をもってプレイできた。絶望的状況の中でも、自分の信じる正義と仲間のために立ち上がる心の強さは、正に光の戦士と呼ぶに相応しい。 敵キャラたちも魅力ある登場人物が多い。各々立場や正義感から主人公たちと対立するが、根っからの悪人は少なく感情移入しやすかった。 一部極悪人がいるが、そういうキャラは大抵碌な目に遭わないのでモヤモヤ感もない。 作中最悪のクズは画家のフォリィというキャラだろう。人間の血を画材にするために殺人を犯す大層頭がおかしい人非人だが、清々しいまでの畜生っぷりと声優(花守ゆみり氏)のマジキチ怪演もあり、筆者の好きキャラ。
●システム ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
本作はコマンド式RPG。 最大の特徴はブレイブとデフォルトというバトルシステムだろう。 キャラが行動するのにブレイブポイント(BP)を消費する。通常1回の行動に加え、このBPを1ターンに最大3ポイントまで使用する事ができ、1ターンに最大4回行動できることとなる。これをブレイブという。また、BPを先食いする事も可能(先食いした場合にはBPがマイナスとなり、再度BPが1になるまで行動できない)。 BPは1ターンに1P回復し、スキルやアイテムの他、いわゆる防御をする事で貯める事が出来る。これをデフォルトという。 ボス戦におけるブレイブ発動の駆け引きが最も楽しいところ。例えば、バフデバフがかかったところで一気に連続攻撃を仕掛けたり、回復や復活を素早く行いピンチを脱するといった瞬発力のあるバトルが展開できる。 逆に敵も当然の権利のようにブレイブしてくるので、一気にやられてしまう緊張感もある。 ボスキャラを倒すと使用できるジョブが増えて、戦術の幅が広がるが、ジョブやアビリティが揃わない序盤は単調な殴り合いになりがち。ジョブやアビリティの数が多く、組み合わせ次第では思わぬ強力なシナジーが発揮できたりするので、戦略を考える楽しさもある。その分、アビリティを習得するための稼ぎが面倒くさいのが難点。
●音楽 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
本作における音楽の素晴らしさは、なんといってもラスボス戦に集約されるだろう。 詳細はネタバレになるので控えるが、特殊な演出からブチ込まれるこの戦闘BGMは、これまでの冒険を想起させるような変調アリアリのド派手な楽曲で物凄く燃える。「もう負ける気がしねえ!」ってなる。
●総評 80点
王道の良作冒険RPG。 正直言って擦られまくった既視感のある設定や世界観だが、本作の評価を押し上げた最大の要因は、演出の秀逸さだろう。 前述した楽曲での表現はもちろんのこと、ブレイブシステムを用いた特殊な演出など、非常に凝った工夫がされている。コテコテのクッサイ演出の数々に、思わず盛り上がってしまうこと間違いなし。

ハーヴェステラ
●シナリオ ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
農村での生活を基軸としたファンタジーもの、かと思っていたらガチガチのSFだった。 農村生活を送りながら、定期的に発生する「死季」という災害の謎を追っていく。 設定や世界観はよく考えられており、謎が明らかになっていくくだりは楽しめた。キャラ毎のサイドストーリーでも、本筋の布石を打っているのも好ポイント。 ただ、謎の解明にあたり、「その先は自分の目で確かめるがいい」とか「今はまだその時ではない」などとお預けをくらう展開が多く、幾分テンポが悪い。 しかし、複雑な設定を目立った矛盾なくまとめてられているので、不完全燃焼感なくスッキリ終わわれる。 漫画版ナウシカやエルゴプラクシーが好きな人は楽しめると思う。
●キャラクター ⭐︎⭐︎⭐︎
そこはかとなくソシャゲ感漂うキャラデザだが、みんな可愛いのでOK。 キャラのサイドストーリーも豊富。 難点を挙げるとすれば、女性キャラが殆ど同じような性格をしている点か。筆者はクールビューティー系が嫌いではないので気にならなかったが。 また、イベントシーンにボイスが一切ない。シーンによっては声優の熱演が聴きたかったところもあるので、非常に残念。
●システム ⭐︎
まず、多くのプレイヤーが楽しみにしていたであろう農業要素がお粗末。栽培できる作物の種類が少なく、作物のレベルもないので、時間と労力をかけて質の高い野菜が採れたときの喜びがない。ひとつの畝からひとつしか作物が採れないため、出荷による金策にしても料理に使うにしても数が足らず捗らない。また、飼育できる家畜が山羊と鶏しかおらず、モンスターを手懐けてペットにすることもできない。 次に、街の人々との交流要素に楽しさがない。仲間キャラもモブキャラも、シナリオが進行してもほぼ同じ事しか喋らない。同じジャンルのルーンファクトリーシリーズは街の人それぞれに性格や好みがあり、好物をプレゼントしたりすると好感度が上がり様々な恩恵があったのだが、本作はプレゼントも出来ないし誕生日もないし恋愛もできない(何故か結婚みたいなことはできる)。結婚したとしても、そのキャラが家に住み着くだけで、何か特別なイベントがあるわけではない。 加えて、お祭りなどの季節イベントもなく、淡々と農業しながらシナリオを進めていくだけなので、四季があるものの季節感が感じられない。 さらに、本作はやたらとサブクエが多い事も特徴だろう。やり込み要素は大いに歓迎なのだが、やることがクエ受注→聞き込み→ダンジョンで雑魚戦かアイテム収集→クリアの流れしかなく、幾つかやったらすぐ飽きる。せめて特定の野菜や料理を持ってきて欲しいとか、クラフト要素を活用したサブクエがあればまだマシだっただろう。 サブクエの物語も、やたらと家族愛とか子供たちの幼い友情とかを推したとき茶番劇ばかりですぐに飽きる。内容も出来が良いとは言いがたく、展開やオチもワンパターンで先の読める話ばかりで、マトモな感性を持っていてこれらのサブクエを楽しめた人はいないだろう。子供が家出した、という導入のクエが中盤までに3回あり、筆者はそこで脱落した。基本的に物語の謎を埋めるような意義のある話はなく、どうでも良いものばかり。更に腹立たしいのは、序盤はお金のやりくりが難しく、サブクエで無視できない額の報酬が貰えるため、このチープな茶番をプレイせざるを得ない点だろう。 そして、筆者的に致命傷となったのが、バトルシステムだ。敵を武器や魔法で攻撃する普通のアクションなのだが、なんと緊急回避や防御コマンドが存在感しない。そのくせに雑魚とボスを問わず、回避不能の攻撃を頻発してくる。いちおう攻撃によっては攻撃予測範囲が示されるものもあるため、それだけはかろうじてダッシュで避けられるが、結局普通の攻撃は喰らってしまう。そのため、バトル攻略の最適解が「回復手段をアホほど持って、敵の攻撃を喰らいながらひたすらにゴリ押しする」であり、戦略性も戦術性もあったものではない。 回避や防御手段が無いことに対して、製作陣がインタビューでコメントをしている。曰く「回避や防御でコマンドを増やすとアクションが苦手な人が楽しめない。皆んなが楽しめるように今回の仕様にした」とのこと。ゲームの楽しさを全否定するクソみたいなコメント。ふざけているとしか思えない。難しいゲームでも、頑張って練習して上手くなるのが面白いのであって、それでもクリア出来ない人やサクサク進めたい人がいるなら、大人しく難易度設定できるようにすればいい。せめて言い訳するなら「開発めんどかったんで回避や防御ありませんw」って開き直ればよかったんだ。こう言う、あくまで「プレイヤーに寄り添った結果です」とでも言いたげなコメント放って制作に手を抜くクリエイターは恥を知れ恥を。
●音楽 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
ダンジョンとバトルを中心に良い楽曲が沢山ある。ボス戦がいい曲してる。 なんか覚えがある音楽だなと思ったら、担当がゴッドイーターの人々なのね。
●総評 60点
世界観や音楽はいい。ヒロインを助けるくだりの演出も目を見張るものがあった。でも。 でもね、余りにもシステム面の不出来が足を引っ張っている。 同ジャンルのルンファクは農業と冒険のシナジーが絶妙で、作物を料理して回復やバフ手段にするのはもちろんの事、農作業を通して強くなったり、強力な武器を入手できるなど、農業を基軸とした冒険が楽しめる。 だが本作はせいぜい料理で回復できる程度。中盤以降は作業感が強くなり、最低限の金策農業をして後は畑を放置することになった。 また、宇宙規模のスケールの大きな物語と農業の相性が悪く、大スペクタクルをしてきた後にいつもの農村に戻されると、休日遊んだ後の月曜日にも似た暗澹たる気分になる。 もうね、いっそのこと農業要素なくして普通のゲームにした方が良かったと思う。どうあがいてもルンファクと比べてしまう。 他社の作品と比較しても仕方ないのはわかっているけど、これだけ丸パクリしていれば比べてられて当然だよなあ?(元ルンファクの制作者が携わっているとはいえ) あと地味に世界樹の迷宮もパクっている。 色々な作品の良いところをつまみ食いしようとして失敗した、佳作になりきれなかった悲しきキメラ。

削除パスワード:

前に戻る





トップに戻る


Copyright(C) 2014 Web Master しるログ All Rights Reserved.